環境関係の法令は、「誰が」「誰に」「いつまでに」届け出るかの組合せがそのまま問われます。 よく似た「7日前」が並ぶので、届出先と届出者を取り違えないことが得点の鍵です。 この記事の内容は、2026年4月1日時点の各法令の条文と、環境省の告示で確かめたものです。
まず全体像
| 法令 | 届け出る人 | 届出先 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 騒音規制法(特定建設作業) | 工事を施工しようとする者 | 市町村長 | 作業開始の日の 7日前まで |
| 振動規制法(特定建設作業) | 工事を施工しようとする者 | 市町村長 | 作業開始の日の 7日前まで |
| 建設リサイクル法(対象建設工事) | 発注者(または自主施工者) | 都道府県知事 | 工事着手の日の 7日前まで |
「騒音・振動は施工者が市町村長へ、リサイクルは発注者が知事へ」と対にして覚えます。
騒音規制法・振動規制法の特定建設作業
届出の仕組み
- 指定地域内で特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者が、作業開始の日の 7日前までに市町村長へ届け出る(騒音規制法14条・振動規制法14条)
- 災害その他非常の事態で緊急に行う場合は事前届出は不要だが、速やかに届け出る
- 届出事項には、作業の場所・実施の期間、騒音(振動)の防止の方法などがあり、作業場所付近の見取図を添付する
- 作業を開始した日に終わるものは、特定建設作業から除かれる(両法の施行令2条)
騒音の特定建設作業(騒音規制法施行令 別表第二)
| 作業 | 主な条件 |
|---|---|
| くい打機・くい抜機・くい打くい抜機を使用する作業 | もんけん、圧入式くい打くい抜機、アースオーガーと併用する作業を除く |
| びょう打機を使用する作業 | — |
| さく岩機を使用する作業 | 移動しながら行う作業は、1日の2地点間の最大距離が 50mを超えないもの |
| 空気圧縮機を使用する作業 | 電動機以外の原動機で定格出力 15kW以上(さく岩機の動力用を除く) |
| コンクリートプラント・アスファルトプラントを設けて行う作業 | 混練容量 0.45m³以上/混練重量 200kg以上(モルタル製造用を除く) |
| バックホウ | 定格出力 80kW以上 |
| トラクターショベル | 定格出力 70kW以上 |
| ブルドーザー | 定格出力 40kW以上 |
バックホウ・トラクターショベル・ブルドーザーは、低騒音型として環境大臣が指定するものを除きます。 出力は「バックホウ80、トラクターショベル70、ブルドーザー40」と、大きい順に並べて覚えます。
振動の特定建設作業(振動規制法施行令 別表第二)
| 作業 | 主な条件 |
|---|---|
| くい打機・くい抜機・くい打くい抜機を使用する作業 | もんけん・圧入式くい打機、油圧式くい抜機、圧入式くい打くい抜機を除く |
| 鋼球を使用して工作物を破壊する作業 | — |
| 舗装版破砕機を使用する作業 | 移動しながら行う作業は、1日の2地点間の最大距離が 50mを超えないもの |
| ブレーカーを使用する作業 | 手持式を除く。移動の条件は舗装版破砕機と同じ |
騒音にはバックホウなどの建設機械が入り、振動には入っていない点が、選択肢の入れ替えでよく問われます。
規制の基準
| 項目 | 騒音 | 振動 |
|---|---|---|
| 大きさ | 敷地の境界線で 85dBを超えない | 敷地の境界線で 75dBを超えない |
| 夜間の作業 | 第1号区域は午後7時〜翌午前7時、第2号区域は午後10時〜翌午前6時に行わない | 同じ |
| 1日の作業時間 | 第1号区域 10時間、第2号区域 14時間を超えない | 同じ |
| 連続日数 | 連続して 6日を超えない | 同じ |
| 休日 | 日曜日その他の休日に行わない | 同じ |
(騒音は環境大臣の定める基準の告示、振動は振動規制法施行規則11条・別表第一。災害時など例外あり)
基準に適合せず周辺の生活環境が著しく損なわれるときは、市町村長が改善勧告・改善命令を出せます(騒音規制法15条)。
建設リサイクル法
対象建設工事の規模(施行令2条)
| 工事 | 規模 |
|---|---|
| 建築物の解体工事 | 床面積の合計 80m²以上 |
| 建築物の新築・増築工事 | 床面積の合計 500m²以上 |
| 建築物の修繕・模様替等 | 請負代金 1億円以上 |
| **建築物以外(土木工事など)**の解体工事・新築工事等 | 請負代金 500万円以上 |
土木工事の受験者としては、「建築物以外は500万円」 を最優先で覚えてください。
特定建設資材(施行令1条)
コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートの4つです。 土砂や金属くず単体は含まれません。
手続の流れ
- 元請になろうとする業者が、発注者に対し、分別解体等の計画などを書面を交付して説明する(12条)
- 発注者が、工事着手の 7日前までに都道府県知事へ届け出る(10条)
- 受注者が分別解体等を行い(9条)、特定建設資材廃棄物を再資源化する(16条)
- 再資源化等が完了したら、元請業者が発注者に書面で報告し、記録を作成・保存する(18条)
国の機関や地方公共団体が発注者の場合は、届出の代わりにあらかじめ知事へ通知します(11条)。
廃棄物処理法のマニフェスト
産業廃棄物の運搬・処分を他人に委託するときは、引渡しと同時に**産業廃棄物管理票(マニフェスト)**を交付します(廃棄物処理法12条の3)。 交付した管理票の写しや、送付を受けた写しの保存期間は 5年です(施行規則8条の21の2・8条の26)。
覚え方のコツ
- 「7日前」は3つとも同じ。違いは「施工者→市町村長」か「発注者→知事」か
- 騒音と振動は「85と75」、「夜・10時間/14時間・6日・日曜」は共通
- 騒音の建設機械は「バックホウ80・トラショベ70・ブル40」
- リサイクル法の土木は「500万円」、資材は「コンクリ・コンクリ+鉄・木・アスコン」
- マニフェストは「5年保存」
届出の問題は、主語と宛先を入れ替えた誤りの選択肢がほとんどです。 表の「届け出る人」「届出先」の列を隠して言えるかどうかで、仕上がりを確かめましょう。