品質管理の問題は、「どの道具で何がわかるか」 と 「どの順番で進めるか」 の2本立てです。 道具の名前と形を暗記するより、「知りたいこと」から道具を選べるようにしておくと、言い回しを変えられても迷いません。
品質管理の進め方(PDCA)
品質管理は、次の順で進めます。順番そのものが出題されます。
| 段階 | やること |
|---|---|
| Plan(計画) | 1. 品質特性を決める → 2. 品質標準(目標とする品質とばらつきの幅)を決める → 3. 作業標準(作業の方法)を決める |
| Do(実施) | 4. 作業標準に従って施工し、データを取る |
| Check(確認) | 5. ヒストグラムや管理図で、品質標準を満たしているか・工程が安定しているかを確かめる |
| Act(処置) | 6. 異常があれば原因を調べて取り除き、必要なら作業標準を見直す |
「特性 → 標準 → 作業標準」と、決める範囲が大きいものから細かいものへ進む、と覚えると順番を取り違えません。
品質特性の選び方
品質特性とは、管理の対象にする品質の項目(例:盛土の締固め度、コンクリートのスランプ)です。 選ぶときの条件は次のとおりです。
- 工程の状況がよく現れるもの
- 測定しやすいもの
- 結果がすぐに出るもの(結果が出るのに時間がかかると、処置が手遅れになる)
- 最終の品質に重要な影響を与えるもの
「代用特性」として、すぐに測れる別の特性で管理することもあります。 たとえばコンクリートの圧縮強度は結果が出るまで日数がかかるので、打込み時にはスランプや空気量で管理します。
道具の使い分け
| 道具 | 何がわかるか | 見るところ |
|---|---|---|
| ヒストグラム | データのばらつきの分布の形 | 規格値の中に余裕をもって収まっているか、平均が中央からずれていないか、山が2つないか |
| 管理図 | 工程が時間の流れの中で安定しているか | 点が管理限界線を外れていないか、並び方にくせ(連続して片側に偏る・上昇傾向・周期)がないか |
| パレート図 | 不良や手直しの原因のうち、どれが大きいか | 件数の多い順に並べた棒グラフと累積比率の折れ線。上位の項目が重点対策の対象 |
| 特性要因図 | 結果(特性)と原因の関係の整理 | 魚の骨の形で、原因を大骨・小骨に分けて書き出す |
| 散布図 | 2つの特性の相関 | 点の並びが右上がり・右下がりか、関係がないか |
| チェックシート | データの記録と集計 | 項目ごとに印をつけて、発生の様子をつかむ |
| 層別 | データを条件ごとに分ける考え方 | 機械別・作業班別・材料別に分けると原因が見える |
ヒストグラムと管理図の違い
どちらもばらつきを見る道具ですが、時間の情報があるかどうかが違います。
- ヒストグラムは、集めたデータをまとめて見る。いつ異常が起きたかはわからない
- 管理図は、データを時間の順に打つ。工程がいつからおかしくなったかがわかる
管理図は「外れていなくても」異常がある
管理限界線の内側に収まっていても、点が中心線の片側に連続して並ぶ、上昇または下降し続ける、周期的に上下するといった並び方は、何かの原因が働いているサインです。 「限界線の内側なら必ず安定」という選択肢は誤りと判断できます。
x̄-R 管理図では、x̄ 管理図が平均値の変化、R 管理図がばらつき(範囲)の変化を見ます。
工種ごとの品質特性と試験
| 工種 | 主な品質特性 | 主な試験・測定 |
|---|---|---|
| 盛土 | 締固めの程度、含水比 | 砂置換法・RI 計器による密度測定、含水比試験 |
| 路床・路盤 | 支持力 | 平板載荷試験、CBR 試験 |
| アスファルト舗装 | 安定度、締固めの程度、平たん性 | マーシャル安定度試験、密度の測定、平たん性の測定 |
| コンクリート | 軟らかさ、空気量、強度、塩化物量 | スランプ試験、空気量試験、圧縮強度試験、塩化物含有量試験 |
試験の名前と「何を測る試験か」の組合せは、選択肢の入れ替えで問われやすい部分です。 平板載荷試験は地盤の支持力、スランプ試験はコンクリートの軟らかさのように、一言で言えるようにしておきましょう。
覚え方のコツ
- 「分布ならヒストグラム、時間なら管理図、重点ならパレート、原因なら特性要因図、2つの関係なら散布図」
- パレート図は「大物から叩く」ための図。多い順に並べる
- 管理図は「線の外」だけでなく「並び方のくせ」も異常
- 品質特性は「すぐ測れて、工程がよく見えて、最終品質に効く」もの
品質管理は、施工管理法の中でも考え方で解ける問題が多い分野です。 道具ごとに「これで何がわかるか」を一文で言えれば、ほとんどの選択肢は判定できます。